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日本海新聞連載「日常を拓くこと」―第3回―浜村温泉湯けむり映画塾(鳥取市気高町)

Jan 10, 2016
日本海新聞連載「日常を拓くこと」―第3回―浜村温泉湯けむり映画塾(鳥取市気高町)

日本海新聞の連載コラム「日常を拓くこと」。第3回が2015年12月24日(木)に掲載されました。

鳥取市気高町で地域に根差した映画作りに取り組む「浜村温泉湯けむり映画塾」について、ことるり舎代表で、今年度の制作作品「幻の漁火」でプロデューサーを務めた荒尾極さんに、地域で映画を作る意義や課題を書いて頂きました。

日本海新聞記事_151224浜村(小)

・・・(以下、新聞コラムより本文転載)・・・

ことるり舎による「浜村温泉湯けむり映画塾」は、鳥取市気高町にある海・山・温泉街というロケーションはもとより、小泉八雲が訪れた地、神話や地域に語り継がれる民話などの風俗や地勢などをいかし、地域に根差した映画を作ろうという企画である。

鳥取藝住祭の一環として行われ、2年目を迎えた。創作活動を通じて地域資源を掘り起こすという企画意図に沿い、1年目と2年目はストーリーに幽霊・神話・民話という縛りを設けた。

1年目は「ようこそ浜村へ」というタイトルで、浜村温泉街に現れた幽霊がかつての温泉街のようなにぎわいをもたらそうと、浜村温泉が発祥と言われる貝殻節で人を集めるというコメディタッチのストーリーを作成。そして2年目の今年は、「幻の漁火」と題し、気高町の日光地区に伝わる竜神伝説をモチーフに、家族愛を描いたサスペンスタッチのストーリーを設定した。

どのスマートフォンにも取り付けられているように、カメラをはじめとする映像撮影機器の進歩により誰にでも簡単に映像は撮影できる時代になった。しかし、映画撮影といったような本格的な映像制作となると、そのハードルは一挙に上がる。

「浜村温泉湯けむり映画塾」は日本映画界を長らく支えてきた中島貞夫監督を塾長(メーン講師)に迎え、映画の歴史からシナリオの書き方、撮影の方法論など、映画制作に必要な知識を基礎からワークショップ形式で学び、その成果として「ようこそ浜村へ」「幻の漁火」という作品撮影に結び付ける企画でもある。

地元の方々からは撮影時の炊き出しや、車や機材の貸し出しなど多くのご協力を頂きながら撮影は進められた。一方で、鳥取でまた気高町で映画撮影をするにあたり、地元の方々にスタッフとしてさらに撮影の中心で活躍してもらい、映画撮影の楽しさや難しさを知ってもらいたかったという反省点もある。

映画は総合芸術と言われる。カメラや役者だけでなく、スクリーンには現れない所でさまざまな力の結集があって映画は成り立っている。地元の力を結集し、今後も気高町で映画作りを継続していきたい。

(ことるり舎代表 荒尾極)

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